瀬戸市内の山あいの一角。道のような、道でないような細い路地をすすんだ先に、工房「スモークログハウス天佑」はある。店主の星山定太さんは、28歳、会社員だったある日、衝撃的においしい燻製に出会う。あまりにもおいしいので、その店主に話を聞きに行ったら、「つくりかたを教えてあげるよ」といわれ、会社を辞めた。建物と配管を設計する、安定の職だったけれども、燻製に惹かれた。「今思うと、もったいなかったなあ。でも、やりたいなあ、と思っちゃったんです」食品衛生管理資格をとるために、3年間は大手の食品工場に勤務して、それから独立した。星山さんのつくる燻製は、とてもシンプル。味付けは素材に、塩とこしょうのみ。余分なものはいれない。窯はYoutubeで見て、自分でつくったそうだ。燻製用の薪は、瀬戸市内の森の間伐材を自ら取りに行く。チップなどではなく、丸太をそのまま使う。8時間近くかけて燻す。温度管理があるため、一度火を焚くと、離れられない。窯のなかがどうなっているのか聞くと、「一瞬だけなら、大丈夫ですよ」そういって、大きな目をこちらに向け、窯を開けてくれた。その瞬間、自分自身が燻された。完成する頃には、水分量が減り、もとの素材の半分の大きさになるという。何よりもまず食べてほしいのは、ベーコン。ひと口で、口の中いっぱいに燻された香りが広がる。さらに、噛むと、豚肉の脂の旨味がじわっと出て、ウィスキーやワインに最高すぎる。ほかにも、そのままでも食べられるソーセージ、ジャーキー、手羽先、スモークチキンササミ、さらに、まるでチーズのような味わいの豆腐なども新登場している。進化を続ける「燻星人」の燻製たち。星山さんの燻製愛を感じ取ってください。スモークログハウス天佑住所:愛知県瀬戸市中品野町206-2電話:080-1595-3677営業時間:13時~17時