2018年の夏、大学を卒業後、地元の愛知県瀬戸市へ戻ってきた南慎太郎が開いた「ますきち-宿泊・喫茶・土産・案内-」。2023年4月6日(木)をもって、南は社長業に専念し、店長に加藤みなみちゃんをお任せすることになりました! ますきちの歴史を振り返りつつ、みなみちゃんが店長に至った経緯やどんな子なのか? をお届けします。改めて、ますきちとは?「せともの」という言葉が生まれたやきものの産地、愛知県瀬戸市。観光地としては、ちょっとわかりづらいこのまちに、まちを愉しむ拠点をめざして「ますきち-宿泊・喫茶・土産・案内-」は誕生しました。立ち上げたのは、北海道大学を卒業し、地元へ戻ってきた南慎太郎。「まちの魅力を伝えるゲストハウスを開きたい!」そんな想いで、ご縁あってお借りすることができた、陶工であった川本枡吉さんが暮らしていた、築約140年の古民家を改装し、出発しました。※詳しい想いは、こちらからどうぞ!とても大きな建物だったので、最初は1階の相部屋2室のみからはじめ、最大宿泊数も9名まで。最初は、民泊の営業許可ではじめたこともあり、営業日数も週に3日のみでした。はじめた当初は、親戚の家のような感じで、地元の人がわいわいと集まり、イベントもたくさん開催。コミュニティの場としての役割を担っていたように思います。改装を続ける宿最初は、民泊での申請をしていたため、宿泊日数にも限りがあり、営業は週3日まででした。おやすみの日を使って、改装を進め、個室2部屋を増やし、15名まで宿泊できるようにと、少しずつ館内を整えていったのです。そんななか、やってきたコロナ禍。先の見えない状態で、南はここで勝負に出ました。一念発起し、事業再構築補助金を提出しました。これまで民泊で営業していたものを旅館業へと切り替え、これまで宿泊施設としては使っていなかった2階も泊まれるように。夜カフェやお土産コーナーも併設する複合施設にしたのです。その結果、個室が6部屋、ドミトリー(相部屋)2部屋の23名まで拡張。※だんだん、部屋を増やした理由については、こちらからどうぞ。気がつけば、純粋に宿としての機能を求められるお客さんも増え、ゲストハウスでもなく、ホテルでも、民宿でもない、宿へ。そこで、名前もただの「ますきち」に、この場の機能を加えた「ますきち-宿泊・喫茶・土産・案内-」へ改名もすることになったのです。※こちらも詳しい想いは、こちらからどうぞ。そして、2022年3月のリニューアル時に、いちばんの大きな変化は、加藤みなみちゃんを社員として迎えしたこと。そこから、すこしずつますきちの業務をお任せするようになっていったのです。そして、2023年4月、店長としてみなみちゃんが就任したのです。新店長、加藤みなみちゃんとは?みなみちゃんが、はじめて「ますきち」へやってきたのは、2019年8月のこと。瀬戸生まれで、「名古屋文化短期大学」でグローバル観光学を学ぶ、大学2年生でした。ゲストハウスに興味をもちはじめ、県外のゲストハウスを探していた頃、地元の瀬戸で発見。そこで行ってみようと泊まりにやってきた。「初ますきちは、強烈に記憶に残っています。宿泊した次の日に帰ろうと思ったら、いきなりボードゲーム大会が始まって、『やってきなよ』と誘われたんです。結局、夕方までますきちにいて、そこにいた人と親戚みたいに仲良くなって、めっちゃいいとこ、地元にあるじゃん! と感動したんです」大学生の頃は、やりたいこと探し。同級生が就職してく中、みなみちゃんはやりたいことが見つかるまでは、中途半端に就職したくないと、とりあえず接客業のアルバイトをしながら、模索していた。それが大きく変わったのは、ますきちで開かれていたバーベキューでのこと。その当時、ますきちの2階はシェアハウスになっていて、そのうちのひとりに「住もうよ!」と声をかけられた。「すごく誘われたんです(笑)。でも、おもしろそうと思って、二つ返事で住みます! と答えました。ちょうどゲストハウスで働いてみたいなあと、ふんわり思ってたいた時期だったので、ありがたかったです」しかし、その後、2階は改装のためにシェアハウスは解散。学校も卒業し、アルバイトを続けていた。この先どうしようかな、と考えていた2021年の夏、南から電話があった。「もしよかったら、ますきちで働かないかな?」宿を大きくするにあたって、スタッフが必要になる。人との距離感のとり方が上手だなあと感じていた南は、みなみちゃんに社員になってほしいとお願いした。それを聞いて、みなみちゃんは純粋にとても嬉しかったという。「もう、ニヤニヤが止まりませんでした。電話しながら部屋の中をウロウロして。お給料的なことで、もしかしたらあんまり稼げないかもなあ、という迷いはあったけど、自分が本能的にワクワクする方に向かったほうがいいんだろうな! と思って、わりとすぐに決めました」働きはじめて、みなみちゃんの才能は開花した。いちばん最初に開催した「バーみなみ」では、みなみちゃんお目当てにたくさんのお客さんがやってきた。お客さんを呼ぶという点には、今もずっと変わらず、先日、ますきちの休業中に働いていた、沖縄のゲストハウスで知り合った人たちが次から次にやってきたりと、「どうなっているんだ!?」と思うほど。「天職だなと思えています。ますきちに来たら、絶対喜んでもらえるっていう自信があります。ますきちに集まってくる方がみんな話しやすくて、いい人ばかりだからなんですけどね」上司としての南慎太郎のことも聞いてみた。「すごく尊敬してますよ。ますきちで働くか、悩んでいた理由のひとつに、南さんのことを嫌いになりたくない、があったんです。仕事となると、嫌いになってしまうかもしれない。でも、この1年ほとんど毎日一緒に働いても、全然変わらないです」将来、宿を開きたいの?お客さんによく聞かれるそうだけども、みなみちゃんは、自分で何かを立ち上げるタイプではないという。「秘書的な方が私には向いているのかな。南さんが始めたいと思ったことのサポートは、全力で頑張りたいと思っています!」なんて、いい子をつかまえたんだ。さて、南はもう「ますきち」にはいないのかというと、そうではありません。南はますきちのことをとてもとても愛しているので、休みの日も「ますきちに行かないと!」と、謎にいそいそと出かけていきます。土曜日などの忙しい日に、みなみちゃんと二人体制でいるかと思います。定休日の火・水曜以外は、夜17時から21時は夜カフェも営業しています。瀬戸市内のお弁当屋「meguru」さんの惣菜や、瀬戸の間伐材で燻す「燻星人」の燻製なども食べられるので、ぜひ訪れてみてくださいね。最後に、立ち上げ好きな南が次に準備を進めているのは、お土産屋「ヒトツチ」。次回の『ほやほや』で、どんなお店になるのかお届けします!【店舗情報】〒489-0042 愛知県瀬戸市仲切町22定休日:火・水曜check in:16時〜21時 / check out:10時カフェ営業時間:17時〜21時https://seto-masukichi.com/Instagram: seto_masukichi