こんにちは、南慎太郎です。僕の連載「ますきち5周年への道」も4回目。前回は、「瀬戸市でゲストハウスを開こう」と決断して、計画書を作り、自分の心と向き合うところをまとめました。今回は、いよいよ大学時代のお話が終了です。現在ますきちとなっている物件との出会いから、瀬戸市にUターンしてくるまでです。過去の記事もどうぞ!第1回: 大学卒業後、地元で宿を起業。南慎太郎は何者なのか?第2回: なぜ大学卒業後に地元へUターンし、宿を起業したのか? 〜学生時代前編〜第3回: なぜ大学卒業後に地元へUターンし、宿を起業したのか? 〜学生時代後編〜大学4年の夏。瀬戸市への帰省大学4年生の夏に、地元瀬戸市に1週間帰省をします。この期間、瀬戸市役所の空き家担当の前嶋さんという方が、親身に面倒を見てくださり、物件を案内してくれた上に、瀬戸市で活動するいろいろな方を紹介してもらいました。この帰省で、ゲストハウス計画が、頭の中だけで考えていたことから、温度感のある実際の計画に大きく変わりました。物件さがし前回の記事にあった通り、安く借りられてDIYができる空き家をさがしていました。場所は、アーケード商店街がある尾張瀬戸駅周辺。このあたりの情報は伝えていたので、前嶋さんに候補になる物件を順番に見せてもらいました。けれど、なかなかピンとくる物件は見つかりませんでした。部屋数が足りなかったり、いい物件の場合は家賃が想定より高かったりなどです。ネット上でも、「物件探しがゲストハウス開業の一番の課題」と書いてあり、それを実感しました。一度、大学を卒業してからUターンをして、改めてのんびり物件探しをしようかと考え始めます。瀬戸市で活動する人たちまた、この期間にたくさんの方達を紹介していただきました。瀬戸市役所内で新しく発足した、せとまちブランディング(現在の「シティプロモーション課」につながる)のみなさん。瀬戸の町のこと、補助金の制度のことなどを教えてもらい、Uターンしてからもずっと助けてもらっています。「銀座通り商店街」の店主さんにも、ご挨拶できました。老舗のお茶屋「お茶彦」さん、乾物屋の「尾張屋」さん。また、今は移転された「ナカイガラス」さんや「irodori」さんを中心に、スパイスカレーの企画が開催されていて、僕も参加しました。その時にカレーを作っていたのが、今では僕のお師匠さんのような存在の、新井一平さんでした。一平さんは、現在、東京と三島に店舗を持つ「6curry&〇〇」店主。当時は、東京に住みながら瀬戸に通っていて、外の人から見た瀬戸の魅力について教えてくれました。一平さんとは、「ますきち」がオープンしてからも毎年のようにスパイスカレーのイベントを一緒にしてもらっています。また、このカレー企画に、古民家のリノベーション専門の大工である六鹿崇文さんも来ていました。六鹿さんにゲストハウスをやりたいことを相談して、物件選びのコツも教えてもらい、Uターンしてからはリノベーションをご依頼して、一緒にますきちを作ってくれました。前嶋さんには、窯元さんも紹介してもらいました。「瀬戸本業窯」の水野雄介さんには、工房や登り窯を案内してもらいながら、丁寧に瀬戸の焼き物の歴史について教えてもらいました。瀬戸に戻ってからも何度もいろいろなことを教えてもらう中で、今度は自分自身がゲストの方に瀬戸のことを伝えられるようになりました。また、海外の方に向けて滞在型の陶芸教室も運営されている、赤津の「喜多窯霞仙」の加藤裕重さんの所にも見学に行かせてもらいました。その日は、海外のゲストと瀬戸市の陶芸家が集まってのパーティが開催されていて、ゲストにどのしたら楽しんでもらえるのかのおもてなし力に感動したことを覚えています。そして、瀬戸市が海外の方にも魅力がある町だということも実感できました。現在では、霞仙さんが海外ゲストの方にますきちを紹介してくださることもあります。こうして思い返してみると、ますきちを開業するときだけでなく、今でもお世話になっている方達ばかりです。改めて、紹介してくださった市役所の方には本当に感謝しています。また、作成した計画書をもとにみなさんとお話しさせてもらう中で、足りない要素がたくさんあることも痛感しました。実際に瀬戸の方たちと会う中で、町の魅力はそこに住んで活動している人たちが生み出していること、それは自分が旅先で感じた魅力と一緒だと再確認しました。もっと、自分自身が瀬戸市のことを知らないといけない、そう感じました。帰省の期間も残り数日こうして、帰省中はたくさんの人と物件に出会い、頭がパンクしながら、濃密な日々を過ごしていました。残り数日となったところで、「ちょっと変わった物件があるよ」という話を聞きます。そこは、明治時代に建てられた30年近く空き家になっている古民家とのこと。物件の所有者さんが、地域ラジオ(ラジオサンキュー)の社長さんで、地域のために活用してもらいたいという想いがあり、地域の方によって掃除を行ったり、活用を考える会が開かれたりしているとのことでした。興味をもった僕は、ちょうど開かれていた活用会議に参加させてもらいました。その日は、物件の所有者の息子さん、商店街の店主さんや近隣の大学生が参加していました。話し合いの中では、古民家カフェ、シェアハウス、宿泊施設、レンタルスペースなど、いろんなアイデアが出ていました。けれど、実際に中心となって行う人はいない状況でした。この物件が、現在のますきちです。僕自身は、最初に見た時に、ゲストハウスにぴったりの物件かもしれないと思いました。大きくて、窯元さんが住んでいた歴史ある建物、駅から徒歩10分以内、駐車場もある。そしてなにより、地域の方から愛着を持たれている物件。農学部出身でリノベーションがどれくらい大変なのかも分からなかったのですが、この物件なら自分が覚悟を持ってやり切ることさえできれば、きっといいゲストハウスになると思いました。そこで、会が終わった後に、物件の所有者の息子さんにお話しさせてもらいました。瀬戸市出身で北海道の大学に通っていること。瀬戸市でゲストハウスを開きたいと思っていて、卒業後は瀬戸市にUターンしようと考えていること。その上で、卒業をしたらこの物件に住ませてもらえないか相談をしました。経験もなく、本当にゲストハウスを開業できるかは自信がなかったため、まずは物件の片付けをしながら、ゆっくり準備を進めていきたいと伝えたところ、快くOKをいただけました。そうして、就職先は決まらなかったのですが、卒業後に住む家は決まりました。大学卒業。そして、地元へUターン帰省期間も終わり北海道に戻ると、一度ゲストハウスのことは忘れて、最後の学生生活を送りました。ラグビー部の最後の大会と卒業論文に追われていたことを覚えています。そして、卒業と同時に瀬戸市に戻ってきました。30年以上空き家だった古民家に住みながら、片付けをする生活がここから始まります。次回は、瀬戸市に戻って1年目のフリーター期間について書きます。読んでくださってありがとうございます。モチベーションのために、ほやほやインスタのこの記事の投稿にコメントをもらえると嬉しいですー!!