〜中心市街地のゴールデンルート その4〜

さーて、いよいよやってきました!
窯垣の小径」を抜けると、現れる窯元が「瀬戸本業窯」です。
こちらは、陶土も植物の灰を使った釉薬も、すべて瀬戸で採れるものを使っている、まさにMade in SETOの瀬戸焼。鎌倉時代から受け継がれる“本業焼”の製法も当時のまま。唯一変わったことは、今では瀬戸市の文化財に指定されている登り窯が、ガス窯になったこと。1979(昭和54)年に8代目・水野半次郎(現・雄介)さんが生まれる年まで、使われていたそうですヨ。

雄介さんは、職人として手を動かす一方、人前でお話されたり、年に数回、「大ナゴヤツアーズ」のイベントとして、陶芸体験とセットで洞地区の案内もされている。
「うつわは、人の隣にあるもの。作業をする職人さんはすごく不器用で、朴訥で、コミュニケーションの下手くそな人たちが、多いように思うかもしれない。けれど、その人たちが作るものは人が使うものだよね。だから、人嫌いではいいものは作れないからね」
こんな風に物腰やわらかく語りかけてくれるので、すっかり雄介さんのとりこになってしまう。

本業窯さんは“窯垣”を残すため、地道に活動されてきました。
大正時代、名もなき職人によって生み出された、日常の生活道具に美しさがあると唱えた民藝運動を進めた柳 宗悦さんが「何度も使われた瀬戸の窯道具を素朴で力強く美しい」と称賛。それを心にとめた六代・半次郎さんが価値を見出し、七代・半次郎さんが地域住民に呼びかけ、約30年間にわたって、保全運動をおこなってきたそうです。

5年前には「NPO法人やきもの文化・瀬戸洞町」が立ち上がり、今年はじめにはかつて13連房ともいわれる巨大な登り窯があった「窯跡の杜」を利用して、なんと“登り窯”をつくるプロジェクトがスタート。歴史ある場所を風化させないようにと進めている。この時代に登り窯をつくるなんて、かなりワクワク。興味のある方は参加もできるそうですよ。工房の向かいに「ぎゃらりぃ本業窯」があるので、まずはぜひ足を運んでうつわを手にとってみてくださいませ!

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