瀬戸の中心市街地にある「深川神社」近く。
陶器でつくられた釣鐘がある「法雲寺」の裏手の住宅地に、「牛豚ホルモン 伊藤せんまい店」と看板が掲げられたお肉屋さんがある。
お店の外観は、ほぼ民家そのもの。
入口に、営業していれば「営業中」というそっけない札が出ている。看板と札を頼りに、なかなか開かない扉を開けて入ると、テレビの音が聞こえてくる。「こんにちはー!」と大きな声で呼びかけると、ガサゴソと動く音がして、「はーい」と返事があり、居間から店主のおじさんが出てきてくれる。

お肉の売り場というか、厨房は緑の網戸に覆われ、人が3人も入ったらいっぱいになりそうなほど狭い。メニューは入口すぐの壁に貼ってある。
「国産」と書かれた黄ばんだ紙の下に、

豚 100g 一四〇円
しんぞう 100g 一六〇円
こぶくろ 100g 一六〇円
きも 100g 一一〇円
自家製みそ味 100円につき 二〇円
焼肉のたれ 1本 二六〇円

とある。
注文すると、おじさんが無駄のない所作で、冷蔵庫から肉を取り出し、ビニール袋にすとんと落とし、新聞にくるんで、輪ゴムでとめてくれる。会計にはそろばんが出てくる。

おじさんに愛想は、とくにない。
ほや子:「どうやって焼いたらおいしくなりますか?」
おじさん:「どうやって焼くって、ふつうに」

ほや子:「お父さんが始められたお店ですか?」
おじさん:「母親」

ほや子:「休みはいつですか?」
おじさん:「不定休だから、電話して」

わたしが質問する(できる)のは、1回の訪問につき、1問か2問だけ。
紹介にあたり、写真を撮らせてもらえませんか? とお願いしたとき、そりゃあドキドキした。「何に使うの?」と聞かれ、ウェブサイトでお店を紹介したいです、と伝えると、「いいよ」と短く返事があった。

ごく最近まで、牛ホルモンがあったのだけれど、「業者の都合」により、なくなってしまった。ここの牛ホルモンは臭みがまったくなく、厚みがあって、噛めば噛むほど味があり、大好きだった。おじさんも高齢なので、いつ店がひっそりと消えていくかもわからないので、気になる方はお早めに訪問を。

住所:愛知県瀬戸市宮里町9

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