2022年5月21日(土)に、瀬戸・ものづくりと暮らしのミュージアム「瀬戸民藝館」が誕生しました! 場所は、尾張瀬戸駅からおよそ1.5kmほどに位置し、窯元や陶芸家が多く集まっている洞という地区。この地で250年以上続く窯元「瀬戸本業窯」が “民藝館”を開きました。「民藝」とはなんぞや? という方も多いと思うのでご紹介すると、民藝とは名もなき職人がつくる、日々、使われている日用品。それこそに本当の美しさが宿る、と。「瀬戸本業窯」は、地元で採れる土と釉薬を使って、江戸後期頃から登り窯を使う以外、変わらぬ方法でやきものをつくりつづけています。すべては手仕事。柳宗悦の提唱した民藝に感銘を受け、濱田庄司、バーナードリーチが工房を訪れ、瀬戸の風土に育まれてできるうつわを高く評価したといいます。「いつか民藝館を開きたい」6代目・当主の水野半次郎の想いを継ぎ、今回、形にしたのは孫にあたる8代・半次郎後継の雄介さん。館内へおじゃますると、出迎えてくれるのが全国の民藝品。本業窯さんのうつわはもちろん、岡山県倉敷の「倉敷ガラス」、宮崎県日之影町にある「わら細工たくぼ」のわら細工、静岡県浜松の「山内染色工房」の手ぬぐいなどが並んでいます。どれもその素朴でいて、使いやすさのために、余分なものは削ぎ落とされた、まさに「用の美」が追求された品々ばかり。ここだけでも来てよかったあ! と感動します。瀬戸にいながら、こんなすてきなものに出会えるなんて。さらに、その先は有料となっていて、“せともの”の原点がみえるような、つくりかたの手順が展示や動画などで紹介されています。事前の近隣のみなさんへの公開の時には、昔にやきもの関係のお仕事に従事されていた方が多く、「懐かしい! こういう作業やってたわ」と、食い入るように見る人が多く、大好評だったそうです。1979年まで現役だった登り窯の最後の火入れの写真も発掘され、紹介されていて、これは見逃せません!2階もあって、階段をのぼると、暮らしのなかに民藝を取り入れたら、どうなるのか? ということがイメージできるような展示スペースになっています。6代・半次郎さんの書斎を思わせるような場所もあり、やきものに関する書物、柳とやりとりした手紙なども公開されていて、民藝ファンにはたまらないかと。資料館の建物を出ると、登り窯が現れ、その規模の大きさを実感できます。奥の工房では仕事が進められていて、その様子を映像越しに眺めることもできます。今後は、ワークショップなどもされると思うので、またすこし落ち着いたら、雄介さんにもじっくりお話をお聞きしたいなあ! 始まる前にお聞きしたお話をまじえながら、訪れた感想でした。ぜひ、みなさんも訪れてみてくださいね。【店舗情報】瀬戸・ものづくりと暮らしのミュージアム瀬戸民藝館所在地:愛知県瀬戸市東洞町17開館時間:10時〜16時30分 (16時最終受付)休館日:月曜〜水曜(祝日は営業)※イベント、臨時休館はHPでご確認ください入館料:一般 600円 / 高校生以下 300円