瀬戸の中心市街地は、771年に創建された「深川神社」の周辺にあります。名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅から徒歩ほぼ1キロ圏内に、昔ながらのレトロな町並みが残っていて、2つのアーケード商店街と、深川神社の参道に“地下街”がある。その特徴をすこしずつご紹介します!地上にある「宮前地下街」初めて訪れた、多くのひとに強烈なインパクトを与える「宮前地下街」には、金魚屋、瀬戸市民のソウルフードをつくるやきそば屋、お茶屋、帽子屋、うなぎ屋、美容院、喫茶店が並んでいる。その成り立ちのことが、ずっと気になっていた。開業から続いているお店「酒道場 久兵衛」の大将に、尋ねてみた。「戦後の復興で、昭和20年以降にまず川向こうの道路に屋台ができたの。公の指導で屋台やりゃと。そのあと、役所がここに入りなさいよということで、屋台の連中が権利をもらって、ここに入った」川向こうの道路とは、「宮川駐車場」のこと。現在は、60台ほどが止められる駐車場で、地元のひとは「バカ道路」と呼ぶ。戦時中、まちが延焼するのを防ぐために、軍が一部の家を破壊。それによって、バカみたいに広い土地が広がり、まもなく終戦となったことがゆえんだという。ちなみに、なぜ地下なのか。それも、大将に教えてもらったけれども、それはまた今度。新店、続々。「せと銀座通り商店街」尾張瀬戸駅から徒歩3分ほど。「せと銀座通り商店街」は、新旧のやってやるぜ感に燃える個性豊かな店主がうごめく、激熱なスポット。藤井聡太くんの強烈な応援でよく見かける商店街もここです。ここは明治20年代頃から商家が建ち始め、深川神社の門前町として栄えてきた商店街。現存する建物の多くは、大正時代から昭和初期に建てられたものだそうで、看板のレトロさたるや。50年ほど前までは、黒山のひとだかりで、あるくのもやっとだったという。それから、すこしずつやきものが衰退し、大型スーパーの登場などで、じりじりと客足が減っていったものの、現在は、若い人たちが次々に店を開く、新たな波が。客層もかなり大きく変わりつつある。その一方で、創業100年ほどの老舗のみなさんの、若いひとを応援しつつ、自分たちもやってやるぜとメラメラと燃えている感じが、とてもよいです。“ツクリテ”が集う「せと末広町商店街」「銀座通り商店街」の川向こうには、もうひとつ商店街がある。銀座のがちゃがちゃとして、元気のある感じとはまた別で、ものすごくゆったりと時間が流れる。時空がゆがんでいるのかもしれない、と思う。こちらの商店街は、どちらかというと、地元のひとが利用する商店街。キャッチコピーも「暮らしツタワル 心ツナガル」昔はやきもの関係で働く人が多く訪れていたようで、日常的な買い物が盛んだった。けれども、近年、スーパーがなくなってしまい、どんな商店街になっていくのか。そんななか、革命が起きたのが、2017年にアートスタジオ「タネリスタジオ」の誕生。その一角に生まれた、美術家のふたりが営むギャラリーカフェ「Art Space & Cafe Barrack」は、外に開かれた場所として存在が大きく、瀬戸のツクリテたちが、次々に姿を現した印象がある。さらに、2018年に名古屋の大曽根から移転した、ヴィーガンダイニング「様時」も、客層をガラリと変えた。遠方からの引き寄せたり、地元の若い子たちも、ここで働いていたりと、パーティ感強めで、いつもにぎやか。せと末広町商店街は、昭和の初期からはじまっていて、町名の末広町のはじまり、といわれている元旅館「松千代館」がセットのような佇まいで残っているのも、すばらしい。ここ2年ほどで末広町商店街も、いつのまにかどんどん新しいお店が増えている。新しい動きも盛りだくさんで、またご紹介します。今年、来年でどう変わるのか、たのしみです!