ついに、足を踏み入れてしまった。
宮前地下街」にある全国からお客さんがやってくる、うなぎ屋「田代」へ。あまりにも人気ゆえに、お昼の受付を朝9時頃に開始。大将に人数と名前を伝えると「○時ごろに戻って来てぇ〜」と言われ、時間までは自由行動となる。界隈の一部では田代を待つ人々のことを“田代待ち”と呼び、近くの商店街の喫茶店などに結構な頻度で出没する。
実はそんな「田代」へ、10年近く週に一度、通っている人物がいる。自らを“田代ニスト”と名乗る笠野近仁さん。もともとうなぎ嫌いだったが、友人に連れられ、しょうがなく食べたところ、うますぎてどハマり。それ以降、愛知県安城市からわざわざ約1時間もかけて車で通っているという。

昨年末、「ますきち」で出会ったことをきっかけに、今年の初訪問「うなぎ初め」に同行させていただいた。「田代」では店先で大将がうなぎをさばき、炭火で焼き、たれをつけるまですべての工程が見える。眺めていると、焼いている最中の激熱うなぎを時々手でぐわしッとつかんでいたので、笠野さんに「あれは何をされているんですか!?」と聞いてみると、「反っちゃうので、まっすぐにしてるんです」と教えてくれた。

準備が整い、店内へおじゃますると、注文しておいた「鰻丼 上」が運ばれてきた。すると、笠野さんがすかさず「丼ぶりからはうなぎがはみ出しているんですよ」と愛でるポイントを教えてくれた。蓋を開くと、超肉厚のうなぎが3枚折り重なって、お米が埋もれて見えない。炭火で真っ黒になる手前ぐらいまで焼かれ、表面はタレでツヤっとしている。食べてみると、炭火のこうばしい香りが広がり、パーン!と弾けるような食感。噛むと脂がじわっと出て、その脂と濃厚な秘伝のタレがよく合う。笠野さんが食べられるようになった理由がわかった。これは「うなぎ」というより「田代」というジャンル。それぐらい決定的に味が違う。

ちなみに、「せともの」の町・瀬戸は窯元の職人さんが体力をつけるためや、いい器が焼けたときのご褒美として、うなぎをよく食べていたそうですヨ。それにしても笠野さん。田代への愛が深すぎて、いつも「田代さん」って呼びそうになる(笑)。

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