“せともの”が生まれたまち、愛知県瀬戸市。このまちでは、やきものの産地としての長い歴史のなかでさまざまな技法が蓄積され、いろいろな陶芸体験が楽しめます。お好みの体験をぜひお試しくださいね。[目次]◉talo-K(タロケイ) / 切って、貼るだけ。工作みたいな転写シール体験◉pottery 木 / しっかり教わりたい方向け! ロクロびき、タタラづくり、手びねり、型作り◉gallery もゆ / スポイドを使って、絵を描く。いっちん絵付け◉丸岩製陶所 / 江戸時代末期から続く窯元。ろくろ、手びねり◉丸窯製陶所 / 大きな工房の一角で、招き猫を絵付けできる! 瀬戸染付、絵付け◉ノベルティ・こども創造館 / ファミリーにいちおし。無料で粘土遊びができる公共施設◉わたり工房 / 番外編:瀬戸の間伐材を使った木工体験talo-K(タロケイ) / 切って、貼るだけ。工作みたいな転写シール体験「くらしのなかの楽しいこと」をテーマにする生活道具屋「talo-K(タロケイ)」。店主の湯浅かおりさんが選ぶ、日々のくらしがワクワクするような、日用品や洋服、ツクリテさんの作品などが集まっています。こちらでできる陶芸体験は、無地の器に「転写シール」を貼るだけで、オリジナルの器を完成させることができます。まるで工作のようで、誰でも簡単に楽しめます。まずは平皿、カップ、茶碗などから、器をチョイス。さらに、転写シールも、好きなものを好きな分だけ選びます。駄菓子屋さんみたいです!最初に店主のかおりさんがレクチャーしてくださって、あとは、集中してつくるのみ。シールを切って、水につけて、台紙から浮いたらそれを器に貼るを繰り返して、完成させます。器の生地は、瀬戸市品野の窯元「春暁陶器」さんのもの。完成後は、こちらの窯元さんで焼成して頂いて完成です。今後は、白以外のカラーも登場予定とのこと。当日に、予約が入っていなければ、ふらりと立ち寄って参加OKです。お気軽にぜひ楽しんでくださいね。talo-K[住所]愛知県瀬戸市陶原町6-19(瀬戸市役所前駅から徒歩5分)[時間]11:00〜15:00 [営業日]水〜土曜[料金]1500円程度〜(器代+シール代含 / 1個につき1時間程度)[ご予約]なしでもOK(先約がある場合はそちらが優先)電話0561-76-1650/ Instagram DM[Instagram]talo_kpottery 木 / しっかり教わりたい方向け! ロクロびき、タタラづくり、手びねり、型作り陶芸家の毛利記代子さんが開く、陶芸教室。場所は、登り窯で使われていた窯道具を積んで作られた“窯垣”が400mほど続く「窯垣の小径」の近く。かなりワイルドな自然のなか、かつ木漏れ陽がとてもきれいな工房です。毛利さんは、長らく陶芸教室で働いていた経験から、教えることがとても上手。初心者の方で、これから陶芸を学びたい方にも最適です。いろいろな技法が体験できるなか、初めてなら「タタラづくり」がおすすめ。タタラは、最初にタタラ板と呼ばれる細長い板を使って、粘土を均一の厚みにスライス。そのスライスした粘土を使い、型にタタラを押し当てるというものです。比較的、失敗が少なく、仕上がりがきれいに。粘土1.4kg分の中で、できる範囲でつくれるので、小さいものなら、複数作ることもできますよ。釉薬は選んだ色で、仕上げてくださいます。Pottery木[住所]愛知県瀬戸市仲洞町90-2[時間]10:00〜12:00、13:30〜17:00 ※予約できるお日にちはInstagramのカレンダーハイライトをご参考ください。[料金]3,500円〜(粘土代・焼成代含 / 2時間) ※要予約。体験はおふたりから。おひとりの場合は、2人分で可能。[ご予約]mail mkhn@tf7.so-net.ne.jp / 電話050-3088-3896 / Instagram DM[Instagram]potterykigallery もゆ / スポイドを使って、絵を描く。いっちん絵付け陶芸家の野村晃子さんが開く、古民家ギャラリー。尾張瀬戸駅から徒歩3分ほどにあり、とても立地が良くて訪れやすいです。晃子さんの作品はもちろんのこと、瀬戸で活動する人気陶芸家やガラスや木工作家まで、幅広く作品を扱っています。建物の一角では、晃子さんが得意とする“いっちん”による絵付け体験ができます。器の種類は、おちゃわん、ゆのみ、マグカップ、平皿、はしおきなどからチョイスできます。まずはえんぴつで絵を下描きをします。その下描きをなぞるように、粘土の入ったスポイドで縁取りしていきます。縁取りが描けたら、絵の具を使って、色をつけていきます。簡単コースでは9色を使うことができます。絵を描くことが好きな方は夢中になって、楽しめると思いますよ!gallery もゆ[住所]愛知県瀬戸市朝日町48-1[時間]11:00〜17:00[料金](簡単コース2,800円〜 / 30分〜1時間半程度)[ご予約] 要予約。電話0561-85-8100、mail:info@gallerymoyu.com[Instagram]gallery_moyu丸窯製陶所 / 大きな工房の一角で、招き猫を絵付けできる! 瀬戸染付、絵付け幕末、初代・加藤庄平によって創業された窯元。海外輸出向けの花瓶や灯篭など、「磁器」を使った製品の大量生産などを経て、現在は乳鉢やポットミルを中心に、招き猫や雛人形などもつくっています。昔の北新谷(きたしんがい)と呼ばれる、尾張瀬戸駅から徒歩10分ぐらいにある大規模な窯屋が立ち並んでいたエリア。陶土が採れる鉱山が真裏に位置し、かつて登り窯もあったとのこと。かなり大きな規模の工房で、体験としてできることは、招き猫の絵付け。瀬戸染付の伝統工芸士の加藤寿美子さんがやり方を教えてくださいます。最初に教えてもらったら、あとはひたすら自分で絵付け。お仕事されている中で、工房の一角に机を置いて体験するという感じの貴重な体験です笑 時間もわりと自由なので、ちょっと変わった陶芸体験をどうぞ。 丸窯製陶所[住所]愛知県瀬戸市背戸側町10[時間]ご予約でご相談(夜9時頃までならOK)[料金]1,500円〜 (粘土代・焼成代含 / 1時間程度〜) [ご予約]0561-82-2481[Instagram]なし丸岩製陶所 / 江戸時代末期から続く窯元。ろくろ、手びねり丸窯製陶所と同じく、旧・北新谷エリアで幕末から続く窯元。こちらは茶道具、花器、江戸時代から続く馬の目模様の器などを「陶器」で生産されています。陶芸体験では、陶磁器技能士の加藤陽一さんが丁寧にろくろ、または手びねりを教えてくださいます。粘土から空気を抜く、菊練りからしっかりと!つくれるものは、茶碗、湯飲み、平皿など。かなり自由に選べます。つくりたいものがあるなら、形、サイズも相談できますよ。釉薬は、白釉、黄瀬戸、飴釉の3種類から選ぶことができます。自らのゆがみや傾きを“味”として残すか、きれいに調整するかは、あなた次第!陶芸体験を行う場所は、新しく増設された場所ですが、現在、作業や物置として利用している創業からの建物も見学することができます。昔使っていた、現役の器具がまだ残っています。建物の裏手には、かつて複数の工房で使っていた登り窯跡地があり(登り窯は撤去されています)、歴史をひっくるめて、ディープにやきものに興味がある方は、とても興奮されるかと思います。なお、陽一さんがてっちゃんで、名鉄瀬戸線の歴代シリーズをマグネットをつくっていて、かわいいです笑 お土産にどうぞ。丸岩製陶所[住所]愛知県瀬戸市湯之根町34[時間]10:00-17:00[定休日]日曜[料金]1,500円〜(サイズによって値段が変わる。焼成代含 / 1時間程度)[ご予約]0561-82-4514※予約がおすすめ。当日予約も可(ご都合が合う場合) [Instagram]なしノベルティ・こども創造館 / ファミリーにいちおし。無料で粘土遊びができる公共施設幼児から小学生のお子さんを持つファミリー世代で、粘土遊びができるおすすめの施設がこちら。瀬戸では“ノベルティ”といえば、陶磁器製人形や置物のことをさします。瀬戸で作られたものは、海外で“セト・ノベルティ”と呼ばれ、精巧な造形や繊細な絵付の評判が高く、大量に輸出されていました。そんなノベルティの工場だった建物を活かして、ノベルティの歴史や製造工程を伝え、焼き物に欠かせない「土」で遊べる創作体験型の施設です。いろいろと体験できることがもりだくさんなので、その中からおすすめをご紹介します!いちばんのおすすめは、2階にある「つちタッチ工房」。受付で瀬戸の粘土がもらえるので、自由にものづくりして遊べます。毎日無料なので、最高です。週末限定で、小学1年生以上の子どもは、1階で職人さんに直接教わることができる体験も用意されています。土日の両方でできるのは、絵付け体験。また、日曜限定でノベルティづくりの土台となる“原型”づくりのノウハウを教わることができる「職人さんと楽しく土遊び」コース(200円)も。スタッフのみなさんは、陶芸関係の学生であったり、アーティスト、陶芸家であったりするので、話しかけるとおもしろい方が多いですよ!ノベルティ・こども創造館[住所]愛知県瀬戸市泉町74-1[時間]10:00〜17:00※「アクリル絵付けコース」①13:15〜14:30 ②15:15〜16:30 小学1年生以上※「上絵付けコース」①14:15〜15:45 小学1年生以上※「職人さんと楽しく土遊び」①13:15〜14:15 ②15:15〜16:15 小学1年生以上[営業日] 火曜〜日曜[休館日]月曜日(休日の場合は翌平日)・年末年始 [料金]入館無料(別途体験料あり)[ご予約]0561-88-2668[Instagram]https://www.instagram.com/seto_novelty/[HP]http://www.city.seto.aichi.jp/docs/2010111000080/わたり工房 / 番外編:瀬戸の間伐材を使った木工体験最後は、番外編で木工体験のご紹介です!せと末広町商店街に工房を構える「わたり工房」。こちらではボールペンづくりの体験ができます。教えてくれる先生は、木工作家の渡邉啓範さん。渡邉さんは、みんなで間伐材を使って、森を良くしよう! という「せともりプロジェクト」を発足。森を整備するボランティア団体「森間伐の会」協力のもと、森を整備するメンバーのひとりとして、鬱蒼とした森の木を間引き、その間伐材を使い、作品づくりをしています。体験では木工ろくろを使い、ボールペンを作っていきます。木工ろくろを高速回転させ、刃物を当ててきれいに、なめらかになるようにがんばります。使い方は丁寧に教えていただけるので、ご安心ください。最後は、優しい手触りになるまで、ヤスリをかけます。体験は想像以上もスピーディに進んでいき、約30分で終了です。完成品は、こんな感じです。ぷっくりと膨らんだ形にしたり、スタイリッシュにまっすぐにするのかは、あなたの好みと腕次第。ぜひ、お試しください!わたり工房[住所]愛知県瀬戸市末広町3-9[時間]11:00〜17:00(事前予約制)[定休日]不定休[料金]3,000円(材料費含 / 30分程度)[ご予約]https://watarikoubou.com/thinboku/ballpen/[Instagram]watarikoubou