フィリピン奥地の村で暮らす山岳民族がつくる、無名なコーヒー。それを年に2回ほど現地へ出向き、直接仕入れ、「UNKNOWN COFFEE BEANS(アンノウン コーヒー ビーンズ)」=知られていないコーヒー豆として販売する人物が、瀬戸にいる。

およそ2年前に、キッチンカーでの移動販売とオンライン販売での事業をスタートさせた、オーナーのRyoichiさんに、販売の経緯をおうかがいしました!

2015年に、フィリピンのルソン島北部、山岳地帯のベンゲットの地方へ旅をしていたんです。山岳民族の集落にホームステイしていて。その集落はコーヒーの産地で、お茶のようにコーヒーを出してくれて、飲んでみたら、すごくおいしかった。標高1000m以上の山に囲まれた気持ちいい環境もあったと思うんですが、それが僕が人生で初めてコーヒーをおいしいと思った瞬間だったんです。

コーヒー好きの幼馴染の神谷に、お土産に買って帰り、飲んだらおいしいね、と彼が喜んでくれて。調べたら日本では全然売っていなくて、彼に「輸入できるのかな?」と聞かれて、ほうほうと思って、調べたら、自分でもできそうだった。そこで、とりあえず農園を探しにいかないと、と思って、また数ヶ月後に、フィリピンに行って、農園を探しに行ったら、トントン拍子で見つかってしまった(笑)。それが、「UNKNOWN COFFEE BEANS」のはじまりです。

そこから、直接その農家さんにお願いするようになったんだけども、豆がいつまで経っても、届かなくてヒヤヒヤしちゃって。結局、フィリピンまで直接取りに行ったんだけど、これじゃあ、やってらんないなと。

困っていたときに、現地で出会ったのが、反町眞理子さんでした。眞理子さんはコーヒーの専門家ではないんだけど、NGOを立ち上げて、生活の向上や環境保護を合わせて活動されていて、山岳民族にコーヒーの栽培方法を教えていらっしゃったんです。森を拓いて畑をつくることをせずに、森の間に栽培をするという方法で、収穫の効率自体は悪いけど、長くみると、自然を守りつつ、元気になる作物をつくり方を伝える。

ベンゲット州は産地なので、州内にそのやり方を学んだ個人農園や家族経営の農園が何十件もあって、豆の管轄もされていた。眞理子さんに会いに行ったら、いい感じに関係が築くことができて、送ってもらえるようにお願いして、ようやくベースになる豆がひとつできたんです。

その豆が安定して販売できるようになったので、新たな豆を探していたら、眞理子さんにあまりにも秘境すぎて、流通も困難だから、私じゃ手に追えない農園があるけど、Ryoichiさん、どう? と相談されたんです。そんなこと言われたら、行くしかない! ですよね。

教えてもらった場所は、首都・マニラからバスで6時間かけてベンゲット州にアクセスするバギオという街に行って、それからさらに山道を6時間。そこから、さらに1日1往復の乗り合いトラックに4時間乗った先でした。

そこで、60歳過ぎのおじさんがの超山奥の集落でコーヒーを栽培していたんです。おじさんは、コーヒー農家じゃないんだけど、山を買って、家を建て、庭で野菜をつくったり、山でコーヒーも育てていたんです。

自然を守りたい人で、自分が死んだら誰がやるのかまで考えて、山のなかに植物を入れて、野生化させて、地球に返していく。そんなふうに考えて、栽培していました。
どういう場所で育っているのか聞いたら、ヘルメットをかぶせられて、道のない斜面を進んで。全部ジャングルだから、方向もわからない。ひとりで入ったら、絶対、帰ってこれない場所ですね(笑)。「あそこに、コーヒーの木があるだろ?」といわれて、探すみたいな。

おじさんに、コーヒー豆の名前をつけてくれ、といわれて、そのまま「ジャングルコーヒー」と名前をつけたら、お~! ジャングルコーヒー、ジャングルコーヒーと連呼して、ウキウキした様子で喜んでくれました。ただ、日本に持ち帰ったこの豆の値段はどうつけたらいいのかな!? 自分で計算できなくて。でも、普通の値段では売れない。

僕は、20歳の頃から、旅を続けてきました。海外に行くことが仕事につながることがしたくて、それを考えていた時にコーヒーに出会った。それが30歳のとき。やっと仕事として、旅に出る理由ができました。現地の人に出会い、コーヒー豆を持って帰ってきて、そのコーヒーを目の前で飲んでもらえる。今は、最高に楽しいお仕事だと思っています。

なお、「UNKNOWN COFFEE BEANS」は、HPのオンラインでの販売管理や卸は、友人の神谷さんが担当。出店するときは、Ryoichiさんのパートナーの豆ちゃんと一緒に「UNKNOWN COFFEE TRUCK」として全国のフェスや近隣での野外イベントでの出店する3人体制だそうです。

今のところ、瀬戸で決まった時間にコーヒーを飲める場所がなかったので、ますきちで毎週金曜18時から21時半に開く、「ヒトツチカフェ」で、仕入れさせていただくことにしましたヨ!

お味は、ベースのコーヒーの「ベンゲット」はかなりすっきりとして、飲みやすく、コーヒーが苦手な方も、おいしいと感じる人が多い魅惑の味わいです。ぜひぜひ、飲みにきてくださいね^^

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